そして男子。 最初に登場したサチくんは、テンポよい登りでルーフに突入。 女子準決勝でつかったハリボテには読みにくそうな配置でホールドが点在していましたが、フックを駆使してカンテへ到達しました。 ここからです。 今回男子決勝は、ここから一連の3ムーブが全てでした。 カンテから右手で三角の薄いハリボテを取り、カンテ裏にフックを残してハリボテをマッチ、その後はるか右のガバをダイナミックに取るムーブがそれです。 サチくんはマッチしてからフックを解除しにかかったところで、振られてフォール。 たぶんパンプ具合的にはまだ行けたでしょう。 続く選手もマッチできるかできないか、もしくは右のガバへタッチしに行って失敗します。 そして出てきたトーマス・ムラツェク。 彼はフックを残したまま右のガバをキャッチし、悠々と解除してここをクリアしました。 観客のものすごい盛り上がりを察知したか、レストしながらガッツポーズする姿はかっこいい〜!
ガッツポーズのトム
ところが、この後再び左に入ってくるパートで力尽きてしまいました。 びっくりしたのは、トーマスの落ちっぷりというか、墜落距離。 あの高さから、グランドすれすれの位置まで振ってきたんで、正直肝を冷やしました。ビレーヤーさん演出が過ぎますよ。しっかりしてください。 しかし、このルートは相当ハードなようです。 特に最後はえぐい。 トーマスが残り1手以上残していることを考えると、続くふたりが完登劇を見せてくれるか?はたまた、あのポルダーセクションを突破できるのか?不安がよぎります。 パチです。 件のセクションまでは楽々の展開。フックを解除しないと届かないと見ていさぎよく解除。 で、ランジで右手でガバをとらえた刹那、ハリボテを保持していた左手が抜けた! でも、右手一本でぶら下がってる!! スゲー、と声を出そうとした瞬間フォール。 ガクっ… 最後、ラモンです。 彼の身長は160cmだそうで、ここは絶対解除してからのランジで来るはずです。 平山さんの解説が入ります。「彼は止めてくると思います。」 がしかし、パチと同じく右手一本になり、やや淡白にフォール。 不安は的中、実に拍子抜けの幕切れになってしまいました。 結果的には7人がほぼ同高度でだんご。 抜け出たトーマスがぶっちぎって優勝を決めることになりました。 終っちゃった…. 順位は付きました。 しかし、選手が死力を尽くすようなパフォーマンスを観ることはできませんでした。 寂しさというか、熱くなった頭に急に冷や水をうけた感じがしました。 次はちょっと今回のワールドカップを、僕なりの視点でに検証してみたいと思います。 その4につづく